酒好きの親子。酒で失敗ばかり。そこで二人で禁酒を誓う。
それでも飲みたい。息子が仕事で出かけたすきに、一杯だけと飲み始める。
一方息子のほうは、お得意さんに酒をすすめられ最初は断っていたが、
本当は大好きな酒。
一杯のつもりが、お得意さんと二人で二、三升も飲んでしまう。
「おまえなんかみろ。酒ばっかり飲んでるから、顔が二つにも、三つにも見える。 そんな顔のどっさりある奴には、この身上(しんしょう)は わたせませんよ。」
「わっはっは、私だってそうだ。こんなグルグル回る家もらったってしょうがネェ。」
釣れますか?などと愚かが二人より・・
趣味にもいろいろありますが、釣りのお好きな方も多いようで・・
今年の夏もここ小国川での鮎釣りを楽しんだ方も大変多かったようですが
釣りのお好きな方の中には、誰にも知られていない、誰も釣っていない所、
自分だけの釣り場を見つけて人に自慢したい。なんてぇ人がありまして
「どっかいい釣り場はありませんかねぇ。人の大勢釣ってる所は面白くありませんよ。
おっ、ここに、こんないい所がありますよ。・・・誰も釣っていない。
こういうところは魚が飢えていますから、餌を入れるとパクリッ、いれパクですよ。
しめしめ、こんないい場所があるのを、誰も知らないんだから・・・」
いい気になって釣り糸をたれています。
そこに土地の人が通りかかり
「こりゃあ、お楽しみですね。」
「ええ、ありがとうございます。」
「釣れますかぁ」
「いえ、さっきからやってるんですが、ピクリッともしないんですよ」
「そりゃそうでしょう、そこはゆんべの雨で水がたまったとこだから・・・」
我が子の可愛さは、いつの世でも変わりがないようで・・・
生まれた我が子につける名前。どうせつけるならめでたい名前をと、
物知りの和尚さんに相談に行きます。
「じゅげむという名はどうじゃ。ことぶき かぎり無しと書いて寿限無。」
「これはめでたいですね。もっと何かありますかねエ。」
もっと、もっとありますか? 次から次へ聞いて、あんまりめでたい名前ばっかりで
どれをつけたらいいか分からない。 えーい面倒だ。みんなつけちゃえてんで、
つけた名前が
「寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、
食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、
パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイの
ポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」
人それぞれ、苦手なもの。こわいものの一つや二つはあるようで・・・
皆で苦手なものを言いあってワイワイやっている。
俺はこわいものなんか一つもない。と いばっていた奴が急にがたがた震えだし、思い出しただけでも気持ちが悪くなる。
これを思い出さないように無理に強がっていたという。
無理やり何がこわいのか、聞き出すと、饅頭がこわいという。
考えただけで寒気がするといって、隣で寝てしまう。
いつもいばって、付き合いの悪い面白くない奴と思っているから、きらいな饅頭を
枕もとにいっぱい積み上げて、どうなる事かと隣の部屋で見守っていると・・・
「ああ饅頭こわい、饅頭こわい」と言いながらみんな食べてしまう。
「あっこの野郎。みんな食っちまいやがった。 おめえの本当にこわいものは、
いったい何なんだ?」
「今度は、しぶーいお茶が一杯こわい」
朝の湯なんてえのは熱い。うめようと思っても
「だめだよ。こんなぬるい湯うめちゃ
風邪引いちゃうよ。」
「どーもすみません」うめることもできない。入ることもできない。しょうがないから顔だけ洗って出て風邪を引いちまったなんてぇことがあったそうで・・
誰か一人入っているのを見るといくらあつくっともガマンして入ろうなんてんで
「おーい、どうだい湯の具合は」
「湯のぐあいったって、そりゃ湯だな」
「あっついかい」
「あつくも何ともねぇや。ぬるすぎるよ。いまメダカが泳いでいたよ」
「おっそろしくぬるいんだねぇ。そんなこと言ったっておめえだけの湯じゃねぇんだから」・・
「ぬるいだろう」
「ぬるいなあ」
「ぬるいから、おめぇ先にはいれよ」
「ぬるいから、一緒に入ろうか」
「あぁ、こんなぬるい湯入れないことあるもんか。あのおじいさんだって入ってるんだ」・・・・
「うーぬるいなぁ」
「ぬるいねぇ」
「ぬるいと湯が足にくいつくなぁ」
「ううー、ぬるいと うなるねぇ」
「あんまりぬるいんで気がとおくなっちゃった」
「こないだの湯もぬるかったなぁ」
「何かしゃべんなよ。ぬるい時に、口をきくんじゃないよ」
「ぬるいのにこっちを向くなよ。この野郎」
「ぬるいのに動くな」
なんて大変な騒ぎで
落語の登場人物はというと八つぁん、熊さん、横町のご隠居さん。それに
毎度おなじみの与太郎さん。
「おい、与太じゃねぇか。どうしたい、ずいぶん赤い顔して」
「うん、あたい酒のかす食べたらこんなに顔赤くなっちゃった。」
「よせ全く、いい若いもんが酒かす食って顔赤くした? そりゃおめぇ酒飲んだって言ってみろ。そのほうが聞こえがいいじゃねぇか」
「なるほどいいことを教わっちゃったな」
「おいどうしたい。赤い顔して」
「お酒飲んできちゃった」
「あんまり飲みすぎるんじゃないよ」
「大丈夫ちいさなかたまり一個だけ」
「酒粕食ったね。小ささなかたまりなんて言ったらすぐばれちゃうよ。
その時はほんの一杯だけって言うんだよ」
「なんだい赤い顔してお酒でも飲んだのかい」
「うん、ほんの一杯だけ」
「冷やは体に悪いよ」
「ああ、焼いて食った」
世間の人は、満開の桜の下で飲めやうたえの大騒ぎ。
ところが貧乏長屋のことで花見にもいけない。
と思っていると、めずらしいことに大家が花見につれていくという。
お酒の代わりに番茶をうすめたお茶け、たまご焼きはたくあん、かまぼこは大根のこおこ・・破れござの緋もうせんを持ってお花見に
ぼりぼりのガブガブ おちゃけのお酒では景気がつかない
「今月の月番。景気づけに酔いなさい」
「「酔ったぞ酔った。おいら酒飲んで酔ったんだ。酒飲んで酔ってんだぞ」
「おいおい、ことわらなくったっていい」
「ことわらなくっちゃ、気がふれてんのとまちがえられる」
「酒は吟味したんだ。どうだ口当たりは甘口かい、辛口かい」
「どっちかて言うとしぶ口」
「しぶ口なんて酒があるかい。酒がいいからいくら飲んでも頭にこない」
「頭にはこないけれども、しょんべんが近くなる。
大家さん、近々長屋にいいことがありそうですよ」
「そんなことがわかるかい」
「ごらんなさい、酒柱が立ってる」
むやみに物事を気にするかたがございます
家の屋根にからすがとまって鳴いたから、何か悪いことがあるんじゃないかとか、
犬があんまりほえるから、何か変わったことが起こるんじゃなかろうかとか、
何かにつけて気にします。・・・
するとこれを面白がって、からかいに来るなんて人があります。
「おいおい、おっかあ、熊公のやつ、また来やがったぜ、
あいつぐらい皮肉なやつはねえんだから。
人が右といえば左といい、あったかいといえば、冷たいという。
おれがものを気にする性分だろう。
すると、あいつは.おれの顔をみさえすりゃあ縁起の悪いことをいうんだ。
この間も表であったから、また嫌なことをいわれちゃいけねぇと思って、
『おい福の神、どうしたんだい?』と機嫌を取ったら、
『今おめえの家から出てきた。』とこういうんだ。
あんまりしゃくにさわったから、その次にあったとき、
『やい貧乏神どこにいくんだい。』といったら、
『今おめえの家に行くんだ。』というじゃねえか・・・」