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落語ワールド

大好き 志ん生

夏なれや





就職して最初のボーナスで買ったのがコロンビアの「志ん生大全集」。
当時はまだCDなんてなかった時代。
このレコードでますます志ん生が大好きに・・・


このレコードのなか「夏なれや」から、
夏三題


T・祭りにはいろんな見世物が軒を連ねて大繁盛。なかにはいろいろ変わった見世物が あったようで
「さあさあ、さあさあ、みておいで。顔じゅう口の怪物がいるよ。顔じゅう口の怪物だ」
「顔じゅう口の怪物、入ろうか。・・どこにいるんだい、顔じゅう口の怪物。」
「そこにあるよ。顔じゅう口の怪物だよ」 てぇから見ると大きな鍋がおいてあったりして
・・・・・・
「かんなん辛苦をしてとったる、山でとったる、山からとれたる六尺のおおいたちを みておいで。ほーらほーらあれだあれだ。そばによると危ないよ六尺のおおいたち」
「こりゃ、こりゃね本物らしいよ」
「大いたち。お入んなさいよ。ありがとう、お入んなさい」
「どこにいるんだい六尺のおおいたち。」
「おまえさんの前だ前だ。ほら危ない危ない。そばによると怪我するよ」
「どこどこに」
「おおいたちだよ。あるだろうよ おまえさんの前に。大きな板があんだろ。まん中に 赤いもんがついてんのは、そりゃ血だよ。その板は六尺あんの。六尺のおおいたち」
「なんだい、やだな。山からとったってじゃないか」
「そりゃ山でとれんだ。川じゃとれない」
「そばによると危ないって言ったじゃないか」
「そばによると危ない。倒れると怪我する」なんてんで・・・



・・・



U・江戸の頃には甘酒は夏の飲み物だった。江戸の人にとって甘酒は夏ばて解消、 栄養補給にと絶好の健康食品だったようです。甘酒売りも「あまい甘酒」と売り歩き、 人々はあつい甘酒をフウフウいいながら飲んだんだそうで、

「甘いあまざけぇ」
「甘酒やー」
「へぇーい」
「あっついかい」
「へぇ、あつうござんす」
「ひかげを歩きねぇ」
「なんだい・・・」
「うまいねぇ、甘酒や、あっついかい、あつうござんす、ひかげを歩きねぇ。 うまいねえ 俺もやってやろう」
「あまいーあまざけー」
「甘酒やさん、」
「へぇい」
「あっついかい」
「ちょうど飲み頃です」
「いっぺぇくんねぇ」 なんて・・損しちゃったりして・・・
・・・




V・夕立・・・暑い盛りにザア―と降る夕立
「ずい分とひどい雨だったなぁ」
「暑くってたまらねェところにザァアーッ と降るてェのは、天の助けだなぁ」
「いいもんだなァ、雨ってやつァ。庭の芝生を見ねェな光ってるじゃねェか」
「おや?何だい、何だか見たことのねェもんだな。何だいおめえは?」
「あたしは竜でございますよ」
「へェー、竜てェのはこういうのかい。で、どうしたんだい」
「今、雨を降らせてたのはあたしですよ。」
「へェ、お前が雨を降らしてくれたのかい、ありがとうよ、おかげで涼しくなったよ。で、どうしたんだい?」
「足を踏み外して雲からおっこちゃったんですよ。 今、雲が迎えに来ますからそれまでここにおいといてくださいな。」
「ああ、いいよ、おいとくよ。ゆっくりいな。」
「有難うございます。私は動物園にでも もっていかれんじゃと思っていました。このご恩は決して忘れません。ご恩返しに、暑いときはいつでもそう言ってください。雨を降らせますから。」
「暑いときには雨を降らして恩を返してくれる。ありがてぇなー・・
でも、寒いときには恩はかえせねーだろー。」
「イイエ、寒い時だって恩はかえせますよ。」
「寒いときにはどうするぃ」
「せがれのコタツをよこします。」




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