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落語ワールド

笑って健康

山形新聞 8月27日朝刊に興味深い記事がありました。

笑って幸せ(7) ユーモアスピーチ

岡山県倉敷市の田中通(75)は、近ごろ笑いのネタ探しがすっかりくせになった。二週間に一度、自作の小話で皆を笑わせなければならないからだ。

「これを繰り返しやると、顔つきが変わってくるらしい。知人も家内も娘もみんなそう言います。最近ずいぶん体調が良さそうだね」と

約十五年前、定年前の人間ドッグで右肺にがんが見つかった。その二年後にも、甲状腺がんを患ったが、いずれも手術で取り除いた。再発を免れているのは、肺がんの手術後に始めたユーモアスピーチのおかげだと、田中は確信している。

「病は気から」「気、軽ければ病軽し」とは、気の持ち方が病気に及ぼす関係を語った古くからの言い伝えだが、最近は、笑いが体に良い働きを与えることが証明されつつある。

ユーモアスピーチは、三分間ほどの短い小話を定期的に発表して周囲を笑わせることで、免疫力を鍛えようとする試み。

笑いの医療効果に注目する「すばるクリニック」(同市)院長の伊丹仁朗医師が患者のために開発した「生きがい療法」に組み込まれたプログラムの一つだ。

東京、京都、岡山で開かれる生きがい療法の学習会には、がん患者らが集まり、それぞれが取って置きのユーモアスピーチを披露し合う。

人間の体には免疫機能に重要な働きをする、「ナチュラルキラー(NK)細胞」がある。がん細胞やウイルスを攻撃、がんの場合は、転移の抑制作用を持つともいわれている。

笑うとNK細胞はどうなるのか。伊丹医師は1991年にある実験をした。
20歳から62歳までの男女19人の血液を採取、「なんばグランド花月」(大阪・南)で吉本新喜劇、漫才、落語を聞いてもらった。彼らのNK細胞が活性化したかどうかを調べてみると、測定できなかった1人を除いた18人のうち、14人の値が上昇した。NK細胞が元気になったのだ。

伊丹医師は「反対に、うつのような状態になると値は下がってしまう。前向きな気持ちを維持することが、病を遠ざけるんです」と話す。

ただ、漫然と過ごしているだけでは、笑うという行為は受身になりがちだ。

これに対してユーモアスピーチは、自ら笑いの元を作らなければならない。
ネタを探すうちに日常を笑いに置き換えて考えるのでしょっちゅう面白い事を考えるようになる。人から笑わせられるのと同じ効果が得られ、笑いに対する感受性も高まるという。

「夫がこれをやりだしてから、確かに家の中が明るくなった。月に一度会う二人の孫娘を観察しては、面白いことをさがしているみたい。」
15年前のやつれた田中を思い出す妻弘子(75)は、夫が楽しんでネタ探しができる幸せをかみしめている。

山形新聞 8月27日朝刊




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